こんにちは。驟雨です!
つい先日の8月23日(金)24日(土)に、日本最高峰にして日本人の心の聖地・富士山に登りました!
そして当サイト(アニカツ!)御用達アニメ『ヤマノススメ』最高(心理的・物理的)の聖地でもあります。
今回はそんなダブル聖地・富士山のレポートです!
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Contents
①富士山予備知識
富士山のこと、知ってるようで知らないことが多いと思うのでおさらいです。
1.富士登山の期間とルート
まず標高は3776mで日本最高峰。
山梨県と静岡県の県境にあります。
2019年の富士山の開山時期は7月10日(吉田ルートは1日から)~9月10日の2か月間。
富士山の主な登山道は4つ。
一番ポピュラーなのは、山梨県富士吉田市側から登る吉田ルート。
静岡からは富士宮ルート、御殿場ルート、須走ルートの3つがあります。
2.一番人気の吉田ルートへ挑戦
私は関西在住なので富士宮ルートが近いのですが、やはり初挑戦ということもあり吉田ルートから登りました。
吉田ルートは関東から近く(新宿からバスで2時間半)、最も登山者が多いです。
道も一番登りやすく、山小屋がたくさんあります。
登り始めは「富士山スバルライン」を上がった「スバルライン五合目」。
ここですでに標高は2305m。
そして六合目、七合目、八合目、本八合目、九合目、頂上へと登っていきます。
所要時間は五合目~頂上までぶっ通しで7~8時間とされています。
しかし実際は八合目・本八合目で山小屋に泊まることが多いです。
五合目から八合目・本八合目までは5~6時間。
山小屋で泊まって、深夜2時あたりに起きて頂上を目指し、5時にご来光を拝むというのが富士登山の鉄板です。
八合目・本八合目から頂上までは渋滞も含めて2~3時間くらい。
対して、下山の所要時間は4~5時間とされています。
3.富士山の気候と準備
富士山は小学生からお年寄りまで登れる比較的初心者向けの山とされています。
しかしこれは決して「登山が容易」という意味ではありません。
まず五合目から2300mを超えており、気温・気圧・酸素濃度ともに低いです。
8月でも、五合目ですでに約15℃、山頂では約5℃となります。
標高が100m上がるごとに約0.6℃下がるということです。
そして、天気も刻一刻と変化し読めません。
晴れていれば、日差しを遮るものがないので直射日光に晒されます。
雲にすっぽりと覆われれば、激しい風雨が撃ち付けます。
そのため、半袖から長袖まで、汗拭きタオルからカイロまで用意し、雨用のレインウェアも持っていかなくてはいけません。
また、富士山には基本的に水はありません。
ジュースも300円~500円くらいします。
そのため麓から飲み水を1~2リットル担いでいきます。
そんなこんなで荷物はかなり重くなってきます。
4.山小屋とトイレ
吉田ルートには山小屋が16軒ほどあります。
登山者はここで夕食をとって仮眠し、翌日朝食を取り出発します。
たくさんの人が泊まるため、一人のスペースは一畳もありません。
水が貴重なため、洗面台やシャワーはありません。
アニメ『ヤマノススメ』セカンドシーズン・新十合目より
((c) しろ/アース・スター エンタ―テイメント/『ヤマノススメ サードシーズン』製作委員会)
またトイレは各山小屋に設置されていますが、200円ほどの寄付金を入れるのが決まりになっています。
無料でトイレに行けることに感謝しましょうね…!
5.最大の天敵「高山病」
気圧が下がり、身体が酸欠状態になって起こるのが高山病。
一般的に2500m以上の高山で発生するといわれます。
頭痛から始まり、身体のだるさ・重さ、息切れ・動悸、眠気・めまい、吐き気へと発展し、最悪の場合意識を失います。
ヤマノススメでは主人公のあおいが罹患し、八合目で登山をリタイアしました。
作中でもなかなか重苦しい描写となっているのですが、それぐらいキツい症状なのです。
高山病にならなくても、八合目以上になると急速に酸素が薄くなって運動がしんどくなり、九合目ではちょっと歩いただけで息が上がります。
6.今回の旅の詳細と、私について
旅のスケジュール
今回は「サンシャインツアー」というツアー会社に申し込みました。
両夜行・吉田ルート富士登山 夜発4日間 8合目仮眠フリープラン
関西発の富士登山格安ツアーを受け付けているのはここだけみたいです。
大阪から夜行バスで向かい、知り合いと2人で登りました。
金曜日の朝に到着。身体を慣らし、昼から登り始めて夜に山小屋に到着。
翌日土曜日は天候が悪く体調も優れなかったのでご来光は諦め、8時に出発。
昼に頂上につき、そのまま下山して夕方に五合目へ帰還しました。
以下詳しい行程です。
8月22日(木)
22時 夜行バスで大阪出発
8月23日(金) 曇り時々雨
6時頃 静岡県富士宮市「花の湯」で朝食・入浴
9時頃 スバルライン五合目到着
11時半 登山開始
20時頃 本八合目「富士山ホテル」到着、夕食・仮眠
8月24日(土) 晴れ
8時頃 登山開始
11時頃 頂上到着
12時頃 下山開始
18時頃 五合目到着
20時半 山梨県富士吉田市「ふじやま温泉」で入浴・夕食
22時 夜行バス出発
8月25日(日)
6時 大阪到着
この記事の特徴
最初に申し上げますと、今回、私は高山病にかかってしまった関係で「ご来光・お鉢巡り」が出来ていません。
しかし、作中であおいがかかった「高山病」を体験し、また翌日登頂も行いました。
なので、本来の意味で「ヤマノススメ聖地巡礼」を全うしたとは言えないかもしれませんが、初心登山者がかかりやすい「高山病」になりながらも「登頂成功」したケーススタディとしての読みごたえは存分にあるかと思います。
もちろん無理に登ることを推奨しているわけではありません。
自分の体調と相談して決めた上での行動です。
私の運動能力と体力
私は中学は吹奏楽部、高校は天文部というバリバリの文化系です。
当然、体育の成績もあまり振るわず(例外的に水泳は得意でしたが)。
また特にスポーツに興味があるわけでもない、典型的なオタクです。
しかし昔から旅行が好きだったので、ヤマノススメに影響され登山に興味を持つように。
と言っても、近所の1200m級の山々に何回か登った程度で、登山経験は2年未満。
そんな私が今回日本最高峰の富士山に挑戦しました。無謀じゃん!
②スバルライン五合目に到着!しばし休憩と巡礼!
一大観光地!スバルライン五合目
富士山スバルライン五合目に到着!
この日は曇り時々雨だったのでちょっと暗いです。
ひっきりなしに観光バスが来て、たくさんの観光客が訪れています。
半分くらい海外のお客さんでした。
その多くは五合目に景色を見に来ているだけで、登山客ではないようです。
まさに国際的な観光名所という感じでした。
スバルライン五合目には、駐車場、バス・タクシー乗り場、「雲上閣」「五合園レストハウス」「みはらし」「こみたけ」の4つの商業施設、小御嶽神社、展望台、公共休憩所・トイレがあり、一つの街のようになっています。
少し見えづらいですが富士山も確認!
無料休憩所と無料公衆トイレ。無料はここが最後!
ヤマノススメ聖地巡礼開始!
さて、この五合目でレンタル品を借り、休憩して酸素濃度に身体を慣らします。
休憩がてら、ヤマノススメに出てきたスポットを巡りました。
五合目から八合目までの内容はセカンドシーズン・新九合目に出てきます。
新宿から一同を乗せた京王バスが停車したのは、総合施設「雲上閣」の前です。
富士山土産、登山用品の販売・レンタル、レストラン、宿泊、着替え室、ロッカーなどがある、富士登山のための基地です。
僕たちはここでレインウェアを受け取り、雨が降っていたので早速着替えました。
ここの3階に、誰でも利用できるロッカーと着替え室があるのでぜひどうぞ!
この石碑は「富士山五合目 標高2305m」の標識なんですが、記念写真をする外国人でごった返していたので表からは撮れませんでした…。
あおい「がっ、頑張ろうねッ!」
一同「おーっ!!」
郵便局を見て駆けだす一同。バスが通るので安全には注意しようね!
あおい「わーっ!郵便局だ!」 ひなた「両替所まであるよ!」
ここな「自転車⁈」
あおい「ここまでは自転車でも来れるんだね~。」
ここな「あっ!お馬さん!」
かえで「七合目までは馬に乗っていくこともできるのよ。」
お馬さんいませんでした…。天候が悪かったからでしょうか。
左が実際の写真。アニメより全体的に値段が上がってますね(笑)
郵便局も入ったこちらの建物は「五合園レストハウス」。
かえで「じゃあ、身体を慣らしがてらお昼ご飯にしましょうか。」
ちなみに僕たちは昼ご飯を担いできたので、ここでは食べていません。
ひなた「何食べる?」 あおい「何にしようかな~。」
実はメインのレストランはここではなく、階段を上がった2階にあります。
あおい&ここなが頼んだ「雲海ラーメン」。
食品サンプルがあるので、過度な期待をすることもないですね。
ひなた「普通のラーメンだね…。」
しかし「ご来光カレー」はあっても、「爆発カレー」はない…?
実はこの「爆発カレー」の元ネタ「噴火カレー」は、「レストハウス」ではなく隣の「みはらし」さんにあります。
要注意ですね。もちろん「ご来光カレー」も美味しいと思いますが。
しかし「メガ噴火カレー(5人前)」とは…。
登山前に食うともれなく死ぬので下山後に食べようね。
作中でサブリミナルに流れてくる「富士山メロンパン」。
さんざん映しておきながら、結局あおい達は食べません(なんでや)。
ということで僕たちも食べませんでした。
というかお腹が空いてなかった。次行ったときには食べるぞ!
レストハウスのお土産コーナー。たくさんあります。
あおい「あ!これ!可愛いなあ~。」
ここな「ほんとですね~!」
行きは荷物になるので、帰りに買いましょう。
ここな「あ、ちょっと待って下さい!」
ここなちゃんが執心していたのは金剛杖。伝統的なストックみたいなもんですね。
ここな「頂上まで登る途中の山小屋で、この杖に焼印※を押してもらえるんです!私、焼印を全部集めようと思って!」
あおい「へ~!私も買おっと!」
※温めた鉄の印で杖に模様を刻むこと。英語では単純に「スタンプ」と言います。
あおいも金剛杖を購入し、2人は「焼印コンプ」の約束を交わします。
さあ、どうなることやら…(悪魔の微笑み)。
私も焼印コンプ目指して1本購入しました。
2人が買ったのは鈴付きですが、音がうるさそうなので私は布巻きタイプ。
表には「富士登山」、裏には「六根清浄」の文字が。
六根は人間の認識の根幹である。それが我欲などの執着にまみれていては、正しい道(八正道)を往くことはかなわない。そのため執着を断ち、心を清らかな状態にすることを言う。そのため不浄なものを見ない、聞かない、嗅がない、味わわない、触れない、感じないために俗世との接触を絶つことが行なわれた(山ごもりなど)。「六根浄」ともいう。
Wikipedia「六根清浄」より
…かっこいいですね!(小並感)
近畿では紀伊山地でよく六根浄が行われるので、聞いたことはありました。
他にも、日章旗や旭日旗が付いたもの、何もついていないものがあります。
どのお土産ショップでも売ってますが、価格は大体1000円~1500円です。
五合目の焼印は初めから押されていて、以降焼印は1回300円~500円。
吉田ルートには約16軒の山小屋+山頂の休憩所・神社がありますので、コンプリートするには5000円以上かかります。
それでも、一生の思い出になるなら安いもんだ!
小御嶽神社の入口は「みはらし」と「こみたけ」の間にあります。
登頂成功を祈願!高山病にはなりませんように…(フラグ⁈)。
あおい「大丈夫だってぇ、おかーさん!じゃ、また連絡するから~!」
自信満々のあおい。そしてこの顔である。
…なんでそんなに煽りよるかって?
それはまあ、後でのお楽しみということで…(絶望)。
9時に到着して、着替え・写真撮影をしていたらもう11時半!
充分身体も慣れたことですし、そろそろ出発します。
③5合目→6合目「楽勝だね!」編
五合目出発!
結構時間がたってしまいましたが、12時ごろに出発。
かえで「それじゃ~いざ、富士山頂へー!」
一同「しゅっぱ~つ!」
6合目までは比較的なだらかな砂礫の道がずっと続きます。
あおい「今のところ全然楽ちんだね!」
ひなた「最後までこんな感じなら楽勝~ッ!」
って、そんなわけないやろ!結論を急ぐべからず!
前方を歩くはハイテンションな欧米系カップル。
富士登山には世界から様々な人たちが来ていますが、中にはこういうカップルもたくさんいました。
半袖半パンに運動靴というとんでもない軽装です…!恐るべし。
なお、彼らは最後までカメラインします(笑)
なんかもう全体的にうるさい(辛辣)。
この辺りはまだ天気が良かったです。
ふもとの富士吉田市の街並みと、河口湖が見えます。
平坦な道をずーっと歩いていると、最初の案内看板が見えてきます。
実は「吉田口五合目」と「スバルライン五合目」は違うんです。
もっといえば、吉田ルートは新旧二つあります。
「吉田口五合目」とは、1964年のスバルライン開通以前の旧吉田ルート五合目のこと。
以前は区別のために、スバルライン五合目を経由する現吉田ルートを「河口湖ルート」とも言ったそう。
対して、吉田口五合目を経由する旧吉田ルートは、旧来からの「吉田口登山道」、または麓の地名から「馬返ルート」とも言います。
この吉田口五合目にも山小屋が二つあり、本当の意味で焼印コンプを目指すならここも回らなければいけないのですが、さすがに遠回りなので割愛します…。
緑豊かな木々の間を抜けていきます。足元が悪いです。
富士山には所々に落石シェルター(トンネル)が設置されています。
六合目に到着!
トンネルを抜けて少し行くと、六合目に到着しました!
ここで標高は2390m。…100メートルも上がってねえ!(笑)
ここでまず「富士山保全協力金」(1000円)を払います。
右のような木札が貰え、これを見えるところにつけます。お洒落です。
このお金は富士山の登山道の整備や、公衆トイレ・救護所などの運用に使われます。
「富士山安全指導センター」は救護所や警察の派出所も兼ねています。
また、ここで登山用ヘルメットを借りることができます。
2000円をデポジットとして払い、返却すれば全額返ってくるそうです。
右は公衆トイレ。1回200円です。
時刻は13時前。登り始めてから30分~40分くらいで六合目到着です。
さて、我々もここでお昼休憩とします。
持ってきたカロリーメイトとウィダーインゼリーを食します。
ひなた「すご~い!パンパンだ!」
ここな「気圧の差ですね!」
おにぎりせんべいは膨らむのを見越して持って来たんですが、カロリーメイトの袋までパンパンに膨らんでました。
しかしひなたちゃん、麩菓子やポテチは喉乾くからダメだろ…。
お母さんと通話中のあおい「大丈夫。心配し過ぎだって~(笑)」
ひなた「あおい~!そろそろ行くよ~!」
さて、我々もそろそろ出発します。
※なお六合目には山小屋がないため、焼印はありません。
④六合目→七合目「山小屋って沢山あるね!」編
ジグザグ道を征く!
六合目から七合目までは約1時間。
ひたすら同じようなジグザグ道が続きます。
とそこへ…。
のあああああ!突然雨が降ってきました。
「降ってくる」というより、雲の中で「浴びている」ような大粒の雨です。
急いでレインウェアとザックカバーをします。
と同時に七合目の小屋群が見えてきました。
この辺りから急こう配の岩肌道になってくるので、渋滞が起きています。
七合目到着!怒涛の山小屋ラッシュ!
花小屋
時刻は14:30。
吉田ルート最初の山小屋「花小屋」につきました。標高は2700m。
本来ならここで七合目最初の焼印を押してもらうのですが、残念ながらキャンセル。
雨だと杖が濡れていて押せない&湿った杖に押すと印が傷むそうです。
(大抵の場合は、店の人が炭火で乾かしてくれますが、かなりきつい雨が降っていたので頼み込むのも悪いと思い、遠慮しました。)
焼印コンプになりませんが、無理に収集するものでもありません。割り切りました。
焼印は、小屋の人が宿泊・給仕・販売などの忙しい業務の合間にやってくれているものなので、強引にお願いして手を煩わせるのはNGです。
日の出館
時刻は15:00。
七合目二つ目の山小屋「日の出館」。ここも焼印は遠慮しました。
山小屋には外にベンチが作ってあり、登山者はここで腰を休めることができます。
なお室内は基本的に宿泊予約者専用の休憩スペースなので、飛び入りはできません。
七合目トモエ館
時刻は15:30。標高2740mにある「トモエ館」。
あおい「山小屋って本当にたくさんあるね~!」
ひなた「10分に一軒くらいな感じ!」
降り続いていた雨がやみました!
さっき訪れた花小屋、日の出館が見えますね。
さらに下には雄大な山麓の景色が広がります。
いや~山登りっていいな。
雨が止んだので、小屋のおじさんがドアを開けて焼印の催促をしていました。
ここで念願の初スタンプです!
焼印コテの先っぽを炭火窯で温め、金剛杖を回しながら焼き付けていきます。
ここは「トモエ館」のマークと、大黒様の顔の2種の焼印をしてくれました。
気前のいいおっちゃんでした。ありがとう!
山小屋は登山道ですので、止まる人進む人でごった返しています。
鎌岩館
時刻は15:40。標高2790m「鎌岩館」です。
ここのスタンプ、ちょ~可愛くないですかぁ?(金森まりあ感)
「令和元年」って入ってるところが、さらにポイント高めです。
ということは、焼印は毎年変わっているということ。
さっき「仕事の片手間にやっている」と言いましたが、実は焼印は費用の掛からない簡単な観光ビジネスとして、結構小遣い稼ぎになるそうです(笑)
そりゃあ人目を引くように、年号や元号、可愛いマークを取り入れるわけです。
富士一館
時刻は16:00。山小屋「富士一館」で標高2800mを超えました。
ペットボトル飲料は全て400円!
味噌汁300円、カップ麺500円、カレー1200円!
ふもとの2倍以上しますね。
富士一館を超えたところ。山小屋が宙に浮いているみたいですね。
謎の鳥居が見えてきました。
この辺りから断崖絶壁が続きます。行けども行けども着かない…。
あおいもこの辺りから辛さをにじませています。
鳥居館
時刻は16:20。何故か鳥居のある「鳥居館」。
高校生か大学生くらいの子が焼印してくれました。かっこいい!
山中湖の上にかかる虹!素晴らしい景色です。
さて、あおいちゃんはここで息切れをおこし始めます…。
あおい「これ、本当に登山道…?まるで崖みたい…。」
「杖、邪魔になってきたな…。」
ひなた「あおい、大丈夫?」
あおい「あっ、うん…平気…。」
どうみても平気じゃねえよ。
めちゃくちゃ急ですわ。
東洋館
時刻は16:40。七合目最後の山小屋「東洋館」に到着。
焼印かなりたまってきました。まじないのステッキみたいでかっこいい。
さて、七合目の旅はここまで。八合目を目指します。
ひなた「あおい~ッ!後ろ、見てみ~!!」
あおい「わああ…!!すごい、吸い込まれそう…!」
富士山麓の緑と山中湖の青。どこまでも広がる山々。
これがあるから登れるんだよね。
さて、ここでヤマノススメのセカンドシーズン・新九合目の回が終わりです。
この回は、景色に元気づけられたあおいの前向きな言葉で締めくくられます。
「やっぱり、来てよかった。大丈夫、私だって登れる。歩け、歩け、一歩一歩。」
いいこと言うじゃないですか。
でもあおいちゃん、この回ですでに高山病の兆候をみせているんです。
- 過剰な息切れ:明らかに他のキャラより息切れしてます。酸欠状態が進行中。
- 強烈な眠気:昨晩眠れなかったせいもありますが、主な原因は酸欠で脳と身体の機能が低下していること。
- あくび:脳・身体が酸素を取り込もうとして、あくびを連発します。
- よろめき:意識が少し朦朧とし始めています。身体に力が入っていません。
これらの症状が出始めると黄色信号です!特に4番は赤信号かもしれません。
10分と言わず、30分程度の休憩を取り、入念に深呼吸をしましょう。
なんでそんなに分析するかって?…私がそうなってたからや。
⑤富士登山の正念場!「魔の八合目」編
さあ、来てしまいました。ヤマノススメ史上最大の鬱回です。
そして私も来てしまいました、富士山八合目の魔の迷宮に。
七合目→八合目は近いようでめちゃくちゃきつい!
七合目から八合目にかけてはまさに「断崖絶壁」。
手でよじ登りながら進みます。
休憩するスペースもなく、適当な岩を見つけてはなんとか腰掛ける状態。
ひなた「ええっ!こんなところ登るの⁈こんなの、もう道じゃないよね…。」
かえで「チェーンはただのガイドだから、掴んじゃ駄目よ!」
杭が外れかかっていることもあるので、絶対だめですよ!
写真の人掴んでるけど…!
ひなた「もっと楽なのかと思ってた…。」
ここな「きついです…。」
この描写、単に「崖がきついからしんどい」ということではありません。
ここは標高3000m。かなり空気が薄いため、有酸素運動自体がしにくいのです。
一挙手一投足がふもとの何倍もの負担になり、たった10m歩くだけでまるで50m走をしたかのような息苦しさに。
大きな岩を力任せに「よいしょ」と超えたりしてはいけません。
できるだけ段差の小さいところを進み、身体の動きを最小限に抑えるのがコツです。
―――――――――――――
さて、目下健闘中のあおいちゃんですが、ここで症状が急激に悪化します。
あおい「空気が薄いのかな…。じっとしてても息が苦しい…。」
「八合目、さっきからずっと見えてるのに…。いつになったら着くんだろう…。」
「あれ…?みんな、速くない…?おかしいな…。」
「頭が痛い…。どうしちゃったんだろう、私…。」
「みんなの声が聞こえない…。何て言ってるの…。」
「頭が痛い…。なんかものすごいしんどい…。どうしよう…。」
ついに頭痛が起こります。高山病の症状が現れました。
うなされるような頭痛は、もう8割9割「高山病」です。
そして視界がぼやけ、目がくらみはじめます。
音もあまり聞こえなくなります。
頭が働いていません。
ここで特徴的なのが、「なぜだか分からないけど突然起こり始める」ということ。
あおいちゃんは過剰に動き回っていたわけでも、大声で歌っていたわけでもありません。
高山病は往々にして本人の活動とは関係なく起こります。
だからあおいちゃんも「分からない…どうしよう…」と途方に暮れているのです。
かく言う私も、このとき頭痛が始まっていました。
ですが、まだうなされるほどではありませんでした。
八合目到着。ようこそ標高3000mの世界へ。
太子館
時刻はすでに18時。ようやく八合目最初の山小屋「太子館」に到着。
七合目最後の「東洋館」から1時間以上かかりました。
標高3100m。後戻りできない場所まで来てしまった感があります。
ひなた「あおい、かりんとう食べる?あっ、黒飴もあるんだよ~。あとは羊羹とぉ、実は緑茶もあったりして!っておじいちゃんか!(笑)」
あおい「………。」
あおいちゃんの症状も戻れないところまで来てしまっていますね…。
事態を重く見たかえでさんは、自分があおいと共に太子館にとどまること、そしてひなたとここなちゃんを先に行かせることを決意します。
かえで「二人は先に、予約している本八合目の山小屋まで行って。」
ここな「あおいさん、先に行ってますね。」
ひなた「ゆっくり休んでからおいで。」
あおい「全然良くならない…。なんでこうなっちゃったんだろう…。」
後で私もこんな感じになったので、人のこと言えません。
さて、あおいちゃんと付き添いのかえでさんはここでストップとなってしまいました。
ここから頂上まではあと2km。時間にして約3時間です。
僕たちがツアー予約している「富士山ホテル」は本八合目なので、まだまだ先。
本来はその宿に18時に到着する予定だったんですが。
タイムロスと日没の恐怖に焦って、ここからペースを上げてしまいました。
しかし、これがのちに災厄を招きました…。
蓬莱館
時刻は18:10。
八合目二つ目の山小屋「蓬莱館」で標高3150mです。
何やら石碑があります。
肝心の「亀岩」はルートから外れた場所にあり、ここからは見えないとのこと。
「蓬莱館」から次の山小屋「白雲館」まではこれまたかなり長いジグザグ道です。
ひなた「歩いてるだけなのに、走ってるみたいに息が切れる…。」
ここな「深呼吸すると良いって、かえでさん言ってましたよ。それと、口笛も良いそうです。」
え、口笛…?
調べてみると、「口笛を吹く」ことが良いというよりは、「口笛を吹くように口をすぼめて、長く息を吐く(腹式呼吸)」のが良いそうです。
私も、息が上がらないように腹式呼吸・深呼吸を意識しながら、長く息を吐くために口をすぼめていました。
息が上がってしまうと中々回復しないので、安定した呼吸をキープすることが大切です。
白雲館
時刻は18:30。標高3200m「白雲館」です。
日が沈んでしまいました。ここからヘッドライトを着用します。
人も減って段々怖くなってきました。
ここあたりから急速に頭が痛くなりました。
早く山小屋で休みたい…。
今思えば、ここで「高山病」が起きていました。
元祖館
頭痛と疲労で何回も休憩をとったため、着いたのは19:20。
もう真っ暗です。そしてヤバいくらいに寒い。
眼下に見えるのは富士吉田市の街の光。
このときの私はあまりに疲弊していたため、「綺麗だなあ」とは微塵も思わず、「僕たちはこんなに寒い中苦労してるのに、ふもとの人たちはクーラーを効かせながら、寝転んでテレビを見てるんだろうなあ…」という謎の感想をこぼしました。
実は、山脈の向こうに見える光の平野は恐らく関東平野。つまり東京の光です。
ああ今すぐ、新宿に、渋谷に行きてえ!!!
本八合目に到着!遠すぎるよ!!
富士山ホテル
時刻は20時を回ってしまいました。
やっとの思いで本八合目「富士山ホテル」に到着!標高は3400mに。
もうフラフラです。頭もガンガンする。
本当はもう横になりたかったのですが、宿泊案内は夕食を食べてからだそう。
食欲がなかったわけではないのですが、気分が悪くて口が受け付けません。
結局ウインナーだけ食べて、カレーは一口のみ。ハンバーグはかじっただけ。
友人は体調良かったので全部食べてました。うらやましい。
そのあとは、着替えも荷物の用意もせずに布団に倒れこみました。
すみません。疲れていたので写真はありません。
ですがこのように、0.7畳くらいのスペースにひしめき合うようにして眠ります。
私の横にいた知らないおっさんのいびきがうるさかったです。
ここで注意なんですが、すぐに寝てはいけません。
呼吸が浅くなり酸欠が加速します。
あくまでこの標高の空気に慣らす時間が必要です。
私は幸い(?)、頭が痛すぎてなかなか眠れなかったです。
夜中に二回ほど、頭痛と吐き気でうなされました。
それはそうと、ひなここ(ひなた&ここな)尊くないですか?(唐突)
――――――――――――
さて、深夜2時になりました。
かえでさんから「あおいちゃんはもう進めない」という連絡を受けたひなたとここなは、二人だけで山頂を目指します。
ひなた「行こう。あおいの分まで登ろう。」
私も本来ならここで起きて、ご来光を見に山頂へ出発するのですが、高山病が悪化しすぎてとてもじゃないけど無理でした。
慌ただしく準備して出ていく他の登山者たちを横目に、私は孤独に戦いを続けます。
最も、この日は雨風が強かったのでご来光は望み薄でしたが。
それでもみんな「ひょっとしたら雲の隙間から見えるんじゃないか」という一縷の望みに賭けて山頂を目指すわけです。人間ってすごいね。
―――――――――――
さて、セカンドシーズン・新十合目も幕間の時間です。
最後は、心理的・物理的に隔てられたあおいとひなここの対照的な場面で終わります。
見上げた先には満天の星空。その中心を流れる天の川。
ひなここが「綺麗!あおいも見てると良いなあ。」と感動的に捉えているのに対して、あおいの放った言葉はあまりにも残酷でした。
「ずっと見てみたかった天の川は、想像していたのと違って、何だかシミみたいでした。」
ひなた「(もう一息で頂上だから)テンション上がってくるね!」
あおい「早く帰りたい。寝袋じゃなくて、ベッドでゆっくり眠りたい。」
なんという残酷な締め方でしょう。トラウマものです。
つづく…のか?
⑥本八合目→頂上「富士山との最終決戦」編
八合目で動けなくなったあおいと、御来光を拝みに山頂を目指すひなた&ここな。
この物語の主人公はあくまで「あおい」です。なのでタイトルも「もぉ、やだ‼」。
しかし、この記事を書いている私の旅はここで終わりではありません。
※ここからはヤマノススメ本編と行程が大きく変わってきますので、あくまで「私の登山体験」をメインに、要所要所で「ヤマノススメ内での出来事」を確認することにします。
行くか退くか。翌朝の苦悩と葛藤。
おはようございます。午前6時です。私は元気で…はありません。
どんな感じだったかはあおいちゃんで表現します。
- 頭が痛いよ…。吐き気もひどい。
- ちょっとマシになってきた…?
- 身体起こしてみるか…。でもしんどいなあ…。
- やっぱり頭痛い!横になろう。(①に戻る)
分かってもらえましたか?そう、エンドレスなデススパイラルです。
しかし7時には山小屋をチェックアウトしなければいけません。
行くか退くか。究極の選択まであと1時間でした。
しかしヤマノススメを観ていた私は、申し訳ないけど「あおいちゃんルート」には進みたくありませんでした。
ここで私はあおいちゃんが選択しなかったIFルートを切り開きます。つまりこれです。
あおい「行かなきゃ…!だってだって、ずっとここまで頑張ってきたのに!」
かえで「無理してこれ以上行って、帰れなくなったらどうするの?」
私「何とか体調を良くするから、行かせてくれ!」(ルート改変)
かえで「…分かったわ。それなら、酸素缶を使うと良いわ。」(折れるかえで)
荷物になると思って持っていかなかった酸素缶。
山小屋で急遽購入しました。1本1500円ですって!(麓の3倍)
これを時間をかけて一缶まるまる吸いました。
すると…酸素が行き届いたのか、気分が段々と好転。
まだ身体は重かったですが、頭痛はかなり抑えられました。
「これなら、行ける。」
そう確信した私は、防寒着とカイロで自身をぐるぐる巻きにし、酸素缶をさらに二缶(!)購入してザックに詰め込みました。
昨日食べなかったせいもあり、食欲は十分にありました。
昨日の夜に山小屋の人から貰っていたふりかけ弁当を、一気にかきこみます。
さて、これで準備は万全です。
土曜朝の富士山ホテルの外の様子。
昨晩から続いていた風雨をもたらした雲は消え、快晴となりました。
河口湖・富士吉田市方面。
山中湖方面。めっちゃ綺麗に見えます。
あと最後の景気づけにこれ。
富士山ホテルのトイレにて。
やっぱり富士山ホテルは聖地として認知・宣伝されてるみたいですね。
なぜかトイレの中に貼ってあるので、見たいオタクは200円払って富士山ホテルのトイレへGO!
ちなみに吉田ルート下山道(須走ルート共通)からもアクセスできるぞ!
最後の死闘「胸突八丁」①~本八合目を抜けて~
富士山の本八合目から山頂までの部分を「胸突八丁」と言います。
「胸を突くように」苦しい、山頂までの八丁(約872メートル)だからです。
その名の通り、ここから先は常に急こう配の岩だらけの道。
疲労と酸欠が登山者の元気を奪い去り、登山を妨害します。
そんな険しい道のりへ出発したのは7:20。
回復したと言えども一旦は高山病になっていましたので、再びぶり返すことのないように、腹式呼吸を意識し、小さい歩幅で、5分に1回の休憩を取りながら登りました。
本八合目トモエ館
富士山ホテルから歩くこと数分。
七合目にも「トモエ館」がありましたが、ここは本八合目「トモエ館」。
ここからすでに富士山頂にある浅間大社の境内らしいです。
上江戸屋
本八合目トモエ館のすぐ横にある「江戸屋」。
この建物のすぐ裏側が下山道・須走ルートになっていますので、「吉田ルート登山道の山小屋」というよりは「下山道・須走ルートの山小屋」という扱いなのかな。
ちなみに下山道・須走ルート沿いのここよりもう少し下にも「江戸屋」があるため、この写真のほうを「上江戸屋」「胸突江戸屋」、下にあるほうを「下江戸屋」「須走口江戸屋」と分けて言ったりするみたいです。
御来光館
時刻は8:10。吉田ルート登山道の最後の山小屋「御来光館」です。
ここの標高は3450mで、八合目と九合目の中間にあたる「八合五勺」と言われます。
ここから九合目までは500m(30分)、山頂までは900m(60分)との記載。
最後の死闘「胸突八丁」②~九合目を越えて~
七合目以降、我々登山者の憩いの場であった山小屋はもうありません。
ここからは根拠地無しの孤独な戦いです。
ひたすら往復。往復。往復。
しかし、まだ本八合目から九合目まではなだらかなのですが。
いろんな人が「急いだら疲れるから、牛歩で行こう」と言うのが聞こえました(笑)
そして私も「牛歩」で進みます。
9:30。九合目(3600m)を突破。
ほとんどの人の疲労がピークに達しています。
動作は鈍く足取りは重い。そして、みんな休むペースが同じなのです。
良いのか悪いのか分かりませんが、妙な一体感を感じました。
一枚目の写真とかなり違うのが分かりますでしょうか。
これはもう「登山」ではありません。「ロッククライミング」です。
10:30。山頂までもう少し!
ひなた&ここなが登ったのは夜なので、あまり風景が確認できませんが、かなり険しい道であることはうかがえます。
⑦念願の富士山頂に到着!「登頂成功」編
11:10。ついに富士山頂へ到着しました!
これは吉田ルートの富士山頂の入口、浅間大社東北奥宮「久須志神社」の鳥居です。
本八合目「富士山ホテル」を出発してから、3時間半かかりました…。
久須志神社。
しっかし寒い!5℃くらいはあるのでしょうが、風が強いため体感は0℃レベル。
そこで「扇屋」さんで豚汁(800円)を頂きました。
これはヤマノススメの受け売り。だってひなたが食べてるの美味しそうだったし!
味が濃く、具材がたくさん入ってて、とっても美味しかったです。
ここな「お弁当、美味しいですね!」
ひなた「豚汁も!山登りってすごくお腹すくよね~。」
「山口屋」さんで焼印してもらいました。ここは4つのデザインから2つ選べます。
欧風イケメンなお兄さんからスタンプ頂きました!
しかし、豚汁を食べて焼印をもらうだけで精一杯でした。
頂上では薄い酸素と冷たい風のせいで頭痛が酷くなり、体調が一気に悪化。
お鉢巡りどころか5分連続で歩くこともできませんでした。
そんな中でなんとか撮った頂上の写真を紹介します。
見渡す限り空と雲しか見えません。ここな「まるで空の御散歩ですね。」
なんかの石碑。分かりません(笑)
成就ヶ岳。私はこれ以上登るのは無理だったので行っていません…。
火口を望む。結構いびつな形をしてるんですね。
一方ヤマノススメでは、ひなた&ここながお鉢巡りをし、最高峰剣ヶ峰に到達します。
うらやましいですね…。次来るときは回ってみたいです。
⑧降りるまでが登山!「下界への帰還」編
いざ最初の出発地・五合目へ
時刻は12:30。
高山病がまたぶり返しそうだったので、一刻も早く下山することにしました。
と言っても、息が上がらないようにゆっくりとした歩調でですが。
なお、吉田ルート下山道は、途中まで須走ルートの登山・下山道と重なります。
本当に、まるで「空の散歩」をしているよう。
登るときのように力が必要ないので、楽に降りることができます。
A:目的を達成し、気持ちよく降りていくひなた&ここな
B:やる気を喪失し、とぼとぼと力なく降りていくあおい&(付き添いの)かえで
さて、降りていくとどうでしょう。
頭痛や身体のだるさがみるみるうちに軽減されていくではないですか!
やっぱり高山病は環境が原因だと思い知らされます。
景色もいいし、気持ちも軽くなってきて、テンション上がります!
14:20。下山ルートの分岐点が見えてきました。
ここを山小屋伝いに左へ進むと「吉田ルート下山道」、道なりに右へ進むと「須走ルート」です。
ここで道なりに右へ進んでしまう人が多いらしく、管理スタッフが案内していました。
実際、走って降りていく人の中で、何人もがそのまま右へ進もうとしていました(笑)
下江戸屋
吉田ルート下山道と須走ルートの分岐点にある八合目「下江戸屋」。標高3350mです。
ここでも焼印を頂きました。ちゃんと八合目のところに押してくれて感激!
なお今上天皇が皇太子時代に富士登山をされたとき、ここに宿泊なさったらしいです。
そのときの登山道が富士山五番目の登山道「プリンスルート」として有名ですね。
――――――――――――
さて、さらに下っていきます。
下山道には「下江戸屋」より下に山小屋はなく、あとは七合目公衆トイレと六合目安全指導センターがあるのみ。
これがアニメの下山道。
そしてこれが実際の下山道。
どちらも、赤茶けた道が延々とうねっています。
「行けども行けども終わらない」ってやつですね。
八合目「下江戸屋」から七合目公衆トイレまでに、ジグザグ道の往復はなんと20回近くもあります。
見かけよりも急な坂でかなり足に負担がかかるので、ゆっくり降りましょう。
僕のおすすめは、道いっぱいを左右に行ったり来たりしながら降りる「ジグザグ走行」。
これだと速度を自然に落とせて、足への負担も少なく降りられます。
あおい「かえでさん…。あと、どのくらいですか…。」
かえで「いつ着くんだろうってあんまり考えない方がいいかも。」
「頭を空っぽにしてひたすら歩いてると、いつの間にか着いてたりするんだよ。」
いつ?いつ?って考えてると鬱になりそうですし、これに尽きますね。
七合目を通過
八合目から七合目までは2時間かかって、16:30に通過。
次は六合目に向かいます。
ここから雲に入り、視界が霧っぽくなってきました。
なんか探索アドベンチャーみたいで面白かった(小並感)。
六合目を通過
1時間後の17:30に六合目を通過しました。
ここからは登山道と同じなので、来た道を戻ります。
最後の直線!あともう少し!
五合目に帰還!お疲れ様でした!
時刻は18:20。やっと着いた…。
降り始めたのが12:30なので、ほぼ6時間かかりました。
さて、ゆっくりもしていられません。
なぜなら、ツアーの行程として、今からふもとの「ふじやま温泉」まで路線バスで行き、そこで食事・入浴を済まして、22時には関西に帰る夜行バスが出発することになっているからです。
すぐにレンタルしていたレインウェアを返却し、簡単に着替え、ささっとお土産を買って、麓行きの路線バスに乗り込みます。
―――――――――――
締めの前に、ヤマノススメの富士登山のラストを確認します。
一足先に五合目に帰っていたあおいとかえでさん。
そこに遅れてひなたとここなちゃんもやってきますが、結局口を利くことはなく。
帰りのバスでの印象的なシーン。
あおいは、登頂できなかった自分の無力さに落胆すると同時に、みんなに迷惑をかけたと思い込んで落ち込み、山登り自体に嫌気がさします。
「疲れた。頭も、足も痛い。しんどい。もう、こんな思いは嫌だ。山なんて…。」
いや、これもう続かんやろ!(続きます。)
河口湖駅、ふじやま温泉、そして帰路へ
富士急行の路線バスで河口湖駅まで。レトロな駅舎です。
ここから東京方面へ電車や高速バスで帰る人たち。あの「新宿行京王バス」も。
僕たちは富士急ハイランド横の「ふじやま温泉」へ、無料巡回バスで向かいます。
温泉でたっぷり疲れを落としたあと、かき揚げざるうどんを食しました。
だそうです。
そのあとは夜行バスに乗って大阪へ戻りましたとさ。おしまい。
⑨旅の反省とまとめ!
私の反省のようなもの
いやー富士登山、お疲れ様でした!(自分に向かって)
もうね、マジで疲れた。マジで死ぬかと思った。
でも登頂出来て良かった~!!!!!
(七合目最初の二軒以外)大体焼印コンプした金剛杖と、富士ちゃん(中サイズ・小サイズ)。
私の一生の宝物になりそうです。
しかし、一つ明らかにしたいことが。
それは「高山病になった原因」です。考えられるのは以下の通り。
まずは富士登山に訪れる以前からの原因。
- 慢性的な運動不足。特に有酸素運動(ランニング、水泳等)の不足。
- 富士登山までに2000mレベルの山に挑戦して、慣らしていなかった。
そして富士登山のタイミングでの原因。
- 夜行バスであまり寝ていなかった。(ヤマノススメの復習してたから‼)
- 七合目で冷たい風雨にさらされ過ぎた。(もっと着込むべきだった)
- 日没に焦るあまり、八合目で飛ばし過ぎた。
- 酸素缶を持ってこなかった。
これぐらいかな。意識すれば防げた気がします。
なので、教訓としては
- 日ごろから有酸素運動(ランニング、水泳等)をしておこう。
- 出来れば富士登山までに2000m級の山にチャレンジしよう。
- 前日は良く寝よう。ヤマノススメの摂取はほどほどに。
- 冷たい雨風にうたれたならすぐに防寒をしよう。
- スケジュールが遅れても、決して急いで登ってはいけない。
- 酸素缶を忘れず持ってこよう。
私もしっかりと反省して、また来年チャレンジしようと思います。
次こそはご来光&お鉢巡り!ひなた&ここなに祝福あれ!(あおいは?)
ここまで散々あおいちゃんを虐めて(?)来ましたが、原作の16巻・17巻にてあおいたちは再び富士山に登り、ご来光を拝んでいます。
かえで「山は逃げない。何回だってチャレンジ出来るんだから。」(2nd・新十合目より)
友よ、あの山の頂きで会おう!
ヤマノススメの聖地巡礼に富士山を選んでしまったオタクのみんな!
高山病にかかりさえしなければ、こんなに楽しい聖地巡礼は他にないぞ!
だからしっかりと準備をして、くれぐれも体調には気を付けてくれ!
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